2008年12月25日(木)
【番外編】SantaClaus story
今回のお話は、さとうがし以外で連載されている「サンタクロース物語」のコラボレーションストーリーです。さとうがし派の貴方もこれを機に「サンタクロース物語」もご贔屓にしていただけると嬉しいです。
また、サンタクロース物語のPage6~Sugar pastry home【before story】をこちらのページを読む前に読んで頂けると、より一層楽しめると思います。勿論読まなくても楽しめる工夫はしてありますので。どちらでもOKです( `・ω・´)b
それは喫茶店「さとうがしのいえ」が一年で一番繁盛する日だ。
この日ばかりは、メインの喫茶店をお休みしケーキを売って売って売りまくる日だからである。何しろここの店にはワールドパティシエチャンプの座を勝ち取ったエリック・アドバーグの作るケーキが並んでいる店だからである。都市の郊外にあるとはいえ、年に一度くらいは、と彼の求めるケーキを求め集まる人はひっきりなしにやってくる
「はい~、ガトーショコラは当店のパティシェが賞を取ったケーキで当店でも一番の人気商品です。」
「ショートケーキの4号だな?了解した。」
「ブッシュ・ド・ノエルは大変に人気がありまして……しばらくお待たせしてしまうのですが…よろしいでしょうか?」
どのケーキもまんべんなくハイペースで売れている。
午前中から開店待ちの客が多かったがその列は午後になっても途絶えることはなく、午前で診療を切り上げた小夏やリカルドも厨房に入り厨房は戦場と化していた。
「リカちゃんはメレンゲ作り!!なっちゃんはこっちのデコレーションを手伝ってくれ!!コラ!!アレンつまみ食いすんな!!」
エリックは指示や激を飛ばしながら自らもデコレーションに余念がない。
なぜ彼がパティシエを目指すようになったか……それは亡くなった祖母の影響である。
-------
彼の祖母も名の知れた菓子職人でエリックの面倒をみるようになってからは、前線から退き若手の指導に回ったが彼女がエリックの為に作るお菓子は、いつも彼を喜ばせていた。そんな彼女だがクリスマスにはなぜか決まってホットケーキミックスを使ってパウンドケーキを作っていた。
「ばぁちゃん。なんで小麦粉とかバター使わんのー」
幼いエリックは祖母の菓子作りの様子を見るのが大好きでいつも傍にいたので、なんとなく違いがわかっていた。
「ホットケーキミックスは魔法の粉。これがあればお前やケーキを作りなれてない人にも簡単に美味しいお菓子ができるんだよ……。」
そういうと彼女は、皺々の頬を少し赤らめて、こう言った
「それに、これは亡くなったおじいさんが大好きなケーキでね……私も大好きなんだよ…。」
-------
ー本日のケーキ全て完売しましたー
気がつけば外は日も暮れ空には一番星が輝いていた。エリックは無言で片づけを終え喫茶の外に出た。
今日はクリスマスイブ舞達はパーティの準備を始めているが、エリックだけは1人外に出て空を見上げていた。
「ばあちゃん…」
彼の手には皿の上に1つのパウンドケーキが盛り付けてあった。
そう…
今日は、彼の大切な家族祖母がこの世から去った日・・・・
-------
そのころ離れではささやかであるがクリスマスパーティが開かれていた
「メリークリスマス!!」
シャンパンが開けられ目の前にはローストチキンをはじめ色とりどりのご馳走が並べられていた。
「明日もガンガンケーキ売るわよ~」
小夏は早速シャンパンをぐいぐいと飲んでいた。
「はいはい~舞ちゃん達はシェンメリーね。お疲れ~」
レイラが舞達のグラスにアルコールのないシャンメリーを注いだ。
翔は、辺りをキョロキョロ見回しあることに気がついた
「あれ?エリックさんがいませんよ?」
「エリックはいいの…イブはあんまり好きじゃないみたいだから…。」
翔の質問にレイラは少し寂しげに答えた。
「……それより、そろそろ来るかしら…。」
レイラが時計を見上げると、
「メリークリスマス!!みんなのサンタさんがやってきたでー」
2人のサンタクロースらしい少年がやってきた1人は格好はまともだが、ガングロで耳が長いもう1人は顔は一般的な顔立ちだがなぜか白スーツだ…突然の『サンタクロース』と名乗る2人の少年に全員の動きが一度ピタリと止まった。
「ホラ~サンタ~やっぱり白スーツはあかん言うたやないかい」
「黙れトナカイ!!驚いてるのはお前のガングロとその耳だ!!それにこれは俺の勝負服だ!!」
突然始まったトナカイとサンタの漫才に一同爆笑した
「絵本で見たサンタさんとはちょっと違うけど面白いです~」
翔は手をパチパチ叩いて喜んだ。
「ほらーサンタちゃんもトナカイちゃんも今日は無礼講よ~さぁさ飲んで飲んで~」
既にできあがってる小夏は二人にシャンパンを勧め始めた~。
「いや、一応仕事中ですので…。」
スーツサンタが決まり文句で断ろうとすると
「あ~ん?私の酒が飲めないっとでもいうのかぁ~。」
とシャンパンを振り上げて暴れはじめようとしたので、隣のリカルドが
「まぁ、落ち着け小夏…こいつらは見るからに未成年だ…無理に飲ませるな!!」
「ふにゃぁ~リカちゃんは真面目でちゅね~ささぐいっと」
リカルドは2人の少年サンタに今のうちに逃げろと手で合図した。二人は逃げ出し2人を呼び出した依頼主であるレイラの傍へと寄った。
「素敵なお嬢様。貴方の願いはなんですか?」
ガングロサンタがキザっぽく囁いた。どうやらレイラが好みのタイプの女性らしい。
「うふふ~ありがとう。本当は一緒に暫くパーティを楽しんで欲しかったんだけど、なっちゃん先生よっぱらっちゃったから用件を言うわね…実は…。」
レイラの願い事はこうだった
「亡くなった祖母と話をしたがってる恋人の願いを叶えて欲しい…」
本当にそんな願いが叶うとは思ってないができることなら叶えて欲しいということだった。
「サンタクロースは魔法使い叶えられない願いなんてありませんよ。」
またガングロサンタは懲りてないらしくキザったらしい甘いセリフをレイラに向かって吐いた
2人のサンタは外に出て空を見上げているエリックの傍へ向かった。
「あんたの望んでたプレゼントだ。正確にはあんたの恋人だがな。」
白スーツのサンタは白い布袋から一枚の手紙を取り出した。
「これを俺に読めっていうのかい?」
エリックは暫く躊躇したが、封筒を見るとそこには懐かしい祖母の筆跡でエリック宛ての名前が書かれてあったのを発見すると、すぐさま彼は封を切った
ー
私がこの世界から 去ってしまったことを悲しんでばかりではいけませんよ
それにお前には 既に大切な人がいるのだろ? その人を悲しませることを
しちゃいけないよ。 私はいつまでもお前とお前の大切に思っている人たちの
幸せをいつまでも遠いそらで祈ってるよ
-
「ばぁちゃん…ありがとう…」
エリックはその手紙を握り締めると、手に持っていたパウンドケーキを食べ始めていた
そうだな…こんなの俺らしいくないよな。行こうレイラや俺の大切な新しい家族が待っているあの場所へ…
「へへ、ありがとな…。お礼に我が家のとっておきのクリスマスパーティを見せてやらないとなっ!!」
エリックは、目元を袖で拭ってサンタ2人をパーティに招待しようとした。しかし2人は激しく首を横に振り
「あんたのその気持ちだけで十分だ。じゃぁな。メリークリスマス」
「あぁ…メリークリスマス」
彼らと別れた後エリックは仲間達への元へ戻っていった
「めりーーーーーーーーーーーーーーーくりすますーーーーーーーーーみんなお疲れ☆今日は存分に楽しもうぜ」
いつもの元気を取り戻した恋人にレイラは窓の外を見て小さくこう言った
「ありがとうサンタさん。メリークリスマス」
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この後の白スーツとガングロサンタの行方は、Sugar pastry home【after story】をご覧ください。
また、サンタクロース物語のPage6~Sugar pastry home【before story】をこちらのページを読む前に読んで頂けると、より一層楽しめると思います。勿論読まなくても楽しめる工夫はしてありますので。どちらでもOKです( `・ω・´)b
【More・・・】
12月24日クリスマスイブそれは喫茶店「さとうがしのいえ」が一年で一番繁盛する日だ。
この日ばかりは、メインの喫茶店をお休みしケーキを売って売って売りまくる日だからである。何しろここの店にはワールドパティシエチャンプの座を勝ち取ったエリック・アドバーグの作るケーキが並んでいる店だからである。都市の郊外にあるとはいえ、年に一度くらいは、と彼の求めるケーキを求め集まる人はひっきりなしにやってくる
「はい~、ガトーショコラは当店のパティシェが賞を取ったケーキで当店でも一番の人気商品です。」
「ショートケーキの4号だな?了解した。」
「ブッシュ・ド・ノエルは大変に人気がありまして……しばらくお待たせしてしまうのですが…よろしいでしょうか?」
どのケーキもまんべんなくハイペースで売れている。
午前中から開店待ちの客が多かったがその列は午後になっても途絶えることはなく、午前で診療を切り上げた小夏やリカルドも厨房に入り厨房は戦場と化していた。
「リカちゃんはメレンゲ作り!!なっちゃんはこっちのデコレーションを手伝ってくれ!!コラ!!アレンつまみ食いすんな!!」
エリックは指示や激を飛ばしながら自らもデコレーションに余念がない。
なぜ彼がパティシエを目指すようになったか……それは亡くなった祖母の影響である。
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彼の祖母も名の知れた菓子職人でエリックの面倒をみるようになってからは、前線から退き若手の指導に回ったが彼女がエリックの為に作るお菓子は、いつも彼を喜ばせていた。そんな彼女だがクリスマスにはなぜか決まってホットケーキミックスを使ってパウンドケーキを作っていた。
「ばぁちゃん。なんで小麦粉とかバター使わんのー」
幼いエリックは祖母の菓子作りの様子を見るのが大好きでいつも傍にいたので、なんとなく違いがわかっていた。
「ホットケーキミックスは魔法の粉。これがあればお前やケーキを作りなれてない人にも簡単に美味しいお菓子ができるんだよ……。」
そういうと彼女は、皺々の頬を少し赤らめて、こう言った
「それに、これは亡くなったおじいさんが大好きなケーキでね……私も大好きなんだよ…。」
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ー本日のケーキ全て完売しましたー
気がつけば外は日も暮れ空には一番星が輝いていた。エリックは無言で片づけを終え喫茶の外に出た。
今日はクリスマスイブ舞達はパーティの準備を始めているが、エリックだけは1人外に出て空を見上げていた。
「ばあちゃん…」
彼の手には皿の上に1つのパウンドケーキが盛り付けてあった。
そう…
今日は、彼の大切な家族祖母がこの世から去った日・・・・
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そのころ離れではささやかであるがクリスマスパーティが開かれていた
「メリークリスマス!!」
シャンパンが開けられ目の前にはローストチキンをはじめ色とりどりのご馳走が並べられていた。
「明日もガンガンケーキ売るわよ~」
小夏は早速シャンパンをぐいぐいと飲んでいた。
「はいはい~舞ちゃん達はシェンメリーね。お疲れ~」
レイラが舞達のグラスにアルコールのないシャンメリーを注いだ。
翔は、辺りをキョロキョロ見回しあることに気がついた
「あれ?エリックさんがいませんよ?」
「エリックはいいの…イブはあんまり好きじゃないみたいだから…。」
翔の質問にレイラは少し寂しげに答えた。
「……それより、そろそろ来るかしら…。」
レイラが時計を見上げると、
「メリークリスマス!!みんなのサンタさんがやってきたでー」
2人のサンタクロースらしい少年がやってきた1人は格好はまともだが、ガングロで耳が長いもう1人は顔は一般的な顔立ちだがなぜか白スーツだ…突然の『サンタクロース』と名乗る2人の少年に全員の動きが一度ピタリと止まった。
「ホラ~サンタ~やっぱり白スーツはあかん言うたやないかい」
「黙れトナカイ!!驚いてるのはお前のガングロとその耳だ!!それにこれは俺の勝負服だ!!」
突然始まったトナカイとサンタの漫才に一同爆笑した
「絵本で見たサンタさんとはちょっと違うけど面白いです~」
翔は手をパチパチ叩いて喜んだ。
「ほらーサンタちゃんもトナカイちゃんも今日は無礼講よ~さぁさ飲んで飲んで~」
既にできあがってる小夏は二人にシャンパンを勧め始めた~。
「いや、一応仕事中ですので…。」
スーツサンタが決まり文句で断ろうとすると
「あ~ん?私の酒が飲めないっとでもいうのかぁ~。」
とシャンパンを振り上げて暴れはじめようとしたので、隣のリカルドが
「まぁ、落ち着け小夏…こいつらは見るからに未成年だ…無理に飲ませるな!!」
「ふにゃぁ~リカちゃんは真面目でちゅね~ささぐいっと」
リカルドは2人の少年サンタに今のうちに逃げろと手で合図した。二人は逃げ出し2人を呼び出した依頼主であるレイラの傍へと寄った。
「素敵なお嬢様。貴方の願いはなんですか?」
ガングロサンタがキザっぽく囁いた。どうやらレイラが好みのタイプの女性らしい。
「うふふ~ありがとう。本当は一緒に暫くパーティを楽しんで欲しかったんだけど、なっちゃん先生よっぱらっちゃったから用件を言うわね…実は…。」
レイラの願い事はこうだった
「亡くなった祖母と話をしたがってる恋人の願いを叶えて欲しい…」
本当にそんな願いが叶うとは思ってないができることなら叶えて欲しいということだった。
「サンタクロースは魔法使い叶えられない願いなんてありませんよ。」
またガングロサンタは懲りてないらしくキザったらしい甘いセリフをレイラに向かって吐いた
2人のサンタは外に出て空を見上げているエリックの傍へ向かった。
「あんたの望んでたプレゼントだ。正確にはあんたの恋人だがな。」
白スーツのサンタは白い布袋から一枚の手紙を取り出した。
「これを俺に読めっていうのかい?」
エリックは暫く躊躇したが、封筒を見るとそこには懐かしい祖母の筆跡でエリック宛ての名前が書かれてあったのを発見すると、すぐさま彼は封を切った
ー
私がこの世界から 去ってしまったことを悲しんでばかりではいけませんよ
それにお前には 既に大切な人がいるのだろ? その人を悲しませることを
しちゃいけないよ。 私はいつまでもお前とお前の大切に思っている人たちの
幸せをいつまでも遠いそらで祈ってるよ
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「ばぁちゃん…ありがとう…」
エリックはその手紙を握り締めると、手に持っていたパウンドケーキを食べ始めていた
そうだな…こんなの俺らしいくないよな。行こうレイラや俺の大切な新しい家族が待っているあの場所へ…
「へへ、ありがとな…。お礼に我が家のとっておきのクリスマスパーティを見せてやらないとなっ!!」
エリックは、目元を袖で拭ってサンタ2人をパーティに招待しようとした。しかし2人は激しく首を横に振り
「あんたのその気持ちだけで十分だ。じゃぁな。メリークリスマス」
「あぁ…メリークリスマス」
彼らと別れた後エリックは仲間達への元へ戻っていった
「めりーーーーーーーーーーーーーーーくりすますーーーーーーーーーみんなお疲れ☆今日は存分に楽しもうぜ」
いつもの元気を取り戻した恋人にレイラは窓の外を見て小さくこう言った
「ありがとうサンタさん。メリークリスマス」
----
この後の白スーツとガングロサンタの行方は、Sugar pastry home【after story】をご覧ください。
テーマ : ショート・ストーリー - ジャンル : 小説・文学
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