2009年06月02日(火)
3 崩落 【亀裂】
ここからさとうがしのいえは暫くバトルモードに突入します(苦笑)
バトルつってもあの方の戦闘とは戦闘とはいい難いかもしれませんが、まったりモードはこれまでよということは紛れもない事実です(ため息)
前回までのお話
1 序章 【会議】
【白い箱】
【脱走】
2 平穏 【決断】
【三神兵】
【道化】
【初恋】
【幸せは崩壊の足音】
店主
店にはそんな張り紙が張られており、店の地下では対ネイラス戦への対策会議が行われていた。
「おそらくあいつは、タイニスと舞を囮に使ってくるだろう。だが俺達はそれの裏をいく。」
リカルドは、ネイラスの狙いは、舞とタイニスが親密な仲になりつつあるのを利用して自分達の仲間に引き込もうとしていると予測し、舞とタイニスが行動を共にしているところを張りこみ、それを阻止するという計画を皆に話した。
「本来ならこんな作戦は望ましくはないのだが、ネイラスは目的達成の為なら手段を選ばないだろう……だとしたら、俺たちも手段は選んでいられないんだ…。」
リカルドは、そうエリック達に言った後、長いため息をついた。
もし、戦うことがあるなら俺はネイラスを……俺にそれができるのか??
「っつーことならレイラはどうする?一旦実家に返した方がいいか?」
エリックは、戦う術を持たないレイラの身を案じた。この状況ではレイラを一人にしておくのは危険だと判断したのだ。
「そうだな…その方が安心だろう。」
エリックとリカルドの会話を傍で聞いていた。レイラはぽつりと呟いた。
「…私にも戦う力が欲しいな。そしたらみんなの役に立つのに…」
「レイラは、ここにいるだけで俺達は『帰る場所がある』って安心できるんだ。十分俺達の役には立ってるさ。」
自分の非力さを嘆くレイラにエリックは優しく彼女の頭をなでた。リカルドもエリックの言葉に大きく頷き話を続けた。
「今回舞は囮だ。会議の内容を悟られないように彼女には買出しに行かせた。戦闘になった場合戦える心理状況にあるのかは不確定な部分がある。従って今回は、アレンとエリックが前線俺と小夏は支援に回り……。」
リカルドは、少し間をおいた後に意外な提案をした。
「今回の戦闘で鍵となるのが、翔お前だ。」
リカルドの発言に皆一斉に翔に視線を向けた。
「え?そ、、、そんな私は…」
翔は激しく首を横に振った。回復能力はあれど、今の自分に敵と直接戦う能力等皆無だと思っていたからである。
「本来なら彼女も後方支援だが、翔は俺程ではないが魔力があることがわかった。翔、今まで俺が教えてきたトレーニングは今も続けてるな?」
「はっ、はい…。で、でも魔法はその少しぐらいしか…。」
おどおどした感じで翔は答えた。どうやらまだ自分の才能に自信が持てないでいる。リカルドは、そんな彼女を見つめ表情を変えずにこう続けた
「ネイラスは幻術が使える。彼の言葉は人の心の奥底をかき乱し戦闘意欲を削ぐ力を持っている。これを使われたら俺達はひとたまりもない。だが、俺の見立てでは翔には幻覚を打ち破る力があるんだ。」
リカルドは、人の隠された能力を見抜くことには長けていた。研究施設で見つけられた翔の魔力を即座に見抜いたのもリカルドの能力だ。翔も自分に戦う力が眠っていて、それが皆の為に役立てるならと日々の鍛錬を怠らなかった。
「リ、リカルドさんがそういうなら……私、頑張ります」
翔の先程までおどおどしていた表情も、リカルドの後押しの言葉に徐々に自信に満ちた顔になっていった。
「うぉーーーーーーーーー俺も超頑張るっす!!」
翔の自信に溢れはじめた発言にアレンの士気が上がったところで、会議はお開きとなった
しかし、リカルドの計画はその3日後に大きく崩れた。
「えっ、レイラがさらわれた!?」
レイラが誘拐された。そんな知らせを受けたエリックは、ただ呆然と立ち尽くす。
「しまった!!!そうか……そうだったなネイラスはレイラと…。」
恋人を奪われたショックは怒りとなり、それに身をまかせエリックは、リカルドの胸ぐらを力強く掴んだ。
「お前の義弟とレイラが何だってんだよ!!!」
「あいつらは婚約者だったんだ。それもネイラスが死んだとされて解消されたけどな…。」
資産家同士のガーゴイド家とギャレット家はネイラスとライラが婚約関係を結ぶことで、いずれは親戚関係になるはずだった。
当時家督争いや親族の企み等にうんざりしていたリカルドは、その事実を忘れていたのだった。ネイラスが生きていたとしたらギャレット家にも容易に入れただろう。
「迂闊だった…。」
「どうしてくれるんだよ!!レイラは…レイラは戦いの場所に出ちゃいけないんだ。」
エリックはリカルドの詰めの甘さを責める。責めたところで今後の状況なんて変わらないのは解っているはずなのにエリックはリカルドを責めずにはいられなかった。
「すまない……。」
項垂れるリカルドに、はっと我に返ったエリックは、罰が悪そうに言った。
「わりぃ、俺もちょっと動揺しすぎてたみただ……。とりあえず、その誘拐犯のネイラスさんとやらは、舞と翔を連れてガーゴイド邸まで来いってさ。場所はお前ならわかるよな?」
「そうか…わかった。」
ネイラスが呼び出した場所ガーボイド邸は、かつてリカルドとネイラスが育った場所で、リカルドにとってはあまり訪れたくない場所でもあった。
エリックは舞達を呼び出しこう宣言した
「俺達のお姫様のレイラが攫われた。依頼者は彼女の親父さん。久々の何でも屋の仕事だ。何としてでも取り戻すぞ!!」
バトルつってもあの方の戦闘とは戦闘とはいい難いかもしれませんが、まったりモードはこれまでよということは紛れもない事実です(ため息)
前回までのお話
1 序章 【会議】
【白い箱】
【脱走】
2 平穏 【決断】
【三神兵】
【道化】
【初恋】
【幸せは崩壊の足音】
【More・・・】
誠に勝手ながら喫茶店は暫くの間休業します。店主
店にはそんな張り紙が張られており、店の地下では対ネイラス戦への対策会議が行われていた。
「おそらくあいつは、タイニスと舞を囮に使ってくるだろう。だが俺達はそれの裏をいく。」
リカルドは、ネイラスの狙いは、舞とタイニスが親密な仲になりつつあるのを利用して自分達の仲間に引き込もうとしていると予測し、舞とタイニスが行動を共にしているところを張りこみ、それを阻止するという計画を皆に話した。
「本来ならこんな作戦は望ましくはないのだが、ネイラスは目的達成の為なら手段を選ばないだろう……だとしたら、俺たちも手段は選んでいられないんだ…。」
リカルドは、そうエリック達に言った後、長いため息をついた。
もし、戦うことがあるなら俺はネイラスを……俺にそれができるのか??
「っつーことならレイラはどうする?一旦実家に返した方がいいか?」
エリックは、戦う術を持たないレイラの身を案じた。この状況ではレイラを一人にしておくのは危険だと判断したのだ。
「そうだな…その方が安心だろう。」
エリックとリカルドの会話を傍で聞いていた。レイラはぽつりと呟いた。
「…私にも戦う力が欲しいな。そしたらみんなの役に立つのに…」
「レイラは、ここにいるだけで俺達は『帰る場所がある』って安心できるんだ。十分俺達の役には立ってるさ。」
自分の非力さを嘆くレイラにエリックは優しく彼女の頭をなでた。リカルドもエリックの言葉に大きく頷き話を続けた。
「今回舞は囮だ。会議の内容を悟られないように彼女には買出しに行かせた。戦闘になった場合戦える心理状況にあるのかは不確定な部分がある。従って今回は、アレンとエリックが前線俺と小夏は支援に回り……。」
リカルドは、少し間をおいた後に意外な提案をした。
「今回の戦闘で鍵となるのが、翔お前だ。」
リカルドの発言に皆一斉に翔に視線を向けた。
「え?そ、、、そんな私は…」
翔は激しく首を横に振った。回復能力はあれど、今の自分に敵と直接戦う能力等皆無だと思っていたからである。
「本来なら彼女も後方支援だが、翔は俺程ではないが魔力があることがわかった。翔、今まで俺が教えてきたトレーニングは今も続けてるな?」
「はっ、はい…。で、でも魔法はその少しぐらいしか…。」
おどおどした感じで翔は答えた。どうやらまだ自分の才能に自信が持てないでいる。リカルドは、そんな彼女を見つめ表情を変えずにこう続けた
「ネイラスは幻術が使える。彼の言葉は人の心の奥底をかき乱し戦闘意欲を削ぐ力を持っている。これを使われたら俺達はひとたまりもない。だが、俺の見立てでは翔には幻覚を打ち破る力があるんだ。」
リカルドは、人の隠された能力を見抜くことには長けていた。研究施設で見つけられた翔の魔力を即座に見抜いたのもリカルドの能力だ。翔も自分に戦う力が眠っていて、それが皆の為に役立てるならと日々の鍛錬を怠らなかった。
「リ、リカルドさんがそういうなら……私、頑張ります」
翔の先程までおどおどしていた表情も、リカルドの後押しの言葉に徐々に自信に満ちた顔になっていった。
「うぉーーーーーーーーー俺も超頑張るっす!!」
翔の自信に溢れはじめた発言にアレンの士気が上がったところで、会議はお開きとなった
しかし、リカルドの計画はその3日後に大きく崩れた。
「えっ、レイラがさらわれた!?」
レイラが誘拐された。そんな知らせを受けたエリックは、ただ呆然と立ち尽くす。
「しまった!!!そうか……そうだったなネイラスはレイラと…。」
恋人を奪われたショックは怒りとなり、それに身をまかせエリックは、リカルドの胸ぐらを力強く掴んだ。
「お前の義弟とレイラが何だってんだよ!!!」
「あいつらは婚約者だったんだ。それもネイラスが死んだとされて解消されたけどな…。」
資産家同士のガーゴイド家とギャレット家はネイラスとライラが婚約関係を結ぶことで、いずれは親戚関係になるはずだった。
当時家督争いや親族の企み等にうんざりしていたリカルドは、その事実を忘れていたのだった。ネイラスが生きていたとしたらギャレット家にも容易に入れただろう。
「迂闊だった…。」
「どうしてくれるんだよ!!レイラは…レイラは戦いの場所に出ちゃいけないんだ。」
エリックはリカルドの詰めの甘さを責める。責めたところで今後の状況なんて変わらないのは解っているはずなのにエリックはリカルドを責めずにはいられなかった。
「すまない……。」
項垂れるリカルドに、はっと我に返ったエリックは、罰が悪そうに言った。
「わりぃ、俺もちょっと動揺しすぎてたみただ……。とりあえず、その誘拐犯のネイラスさんとやらは、舞と翔を連れてガーゴイド邸まで来いってさ。場所はお前ならわかるよな?」
「そうか…わかった。」
ネイラスが呼び出した場所ガーボイド邸は、かつてリカルドとネイラスが育った場所で、リカルドにとってはあまり訪れたくない場所でもあった。
エリックは舞達を呼び出しこう宣言した
「俺達のお姫様のレイラが攫われた。依頼者は彼女の親父さん。久々の何でも屋の仕事だ。何としてでも取り戻すぞ!!」
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