2011年04月18日(月)
4 愛情 【恋敵】
新章スタートです。
なんか自分の作品に愛とか入れるのこっ恥ずかしくて他の言葉を模索してたら
近所の子供が
「あい~してるぅ~」と真昼間から叫んでたので
もうこれしかないと思いました。
いろんな愛で溢れた新章どうぞご期待ください。
目次
1 序章 【会議】
【白い箱】
【脱走】
2 平穏 【決断】
【三神兵】
【道化】
【初恋】
【幸せは崩壊の足音】
3 崩落 【亀裂】
【閉塞】
【楼閣】
【反撃】
【犠牲】
しかし、その翌日から舞と翔は自室に籠ることが多くなり、喫茶店の仕事にも以前と比べ顔を出さなくなった。
特に舞の方はタイニスとあのような事になって以来、妹の翔とも会話を交わしていないようだ。翔は時折喫茶店や小夏の診療所で手伝いをすることはあり、気が弱っている姉の分まで働こうと頑張っているのだが、どこか上の空でいつもよりミスが目立っている。
「これは、あまり良くない状況ね…。」
小夏がぽつりと呟いた。それはエリックやレイラ達も同じように思っていることだった。
「舞ちゃんはともかく、翔ちゃんはなんであぁなったんだ?やっぱり看病疲れ??」
エリックの疑問に全員の冷たい視線が彼に注がれた。どうやら翔の元気のない様子に全くを持って身に覚えがないらし
「はい。はい。色男って罪よね~」
「隊長の鈍感っ!!」
「お前それでも『愛の伝導師』なのか?」
小夏、アレン、リカルドが一斉にエリックに罵声を浴びせる中、レイラはゆっくりと口を開いた
レイラは、わかっていた。翔が向けていたエリックへの好意に。しかし翔が傷つくのを恐れ、自分がエリックと恋仲だというこつを翔に伝えられずにいた。きっと姉が酷く落ち込んでいることに加え、エリックへの想いも砕かれてしまった。自分がちゃんと打ち明けていれば彼女がここまで傷つくこともなかったのではないかと。
「うん…私…本当は解ってた。でも翔ちゃんを傷つけたくなかったから、ずっと言いそびれてた…でも、そのせいで翔ちゃんを傷つけてしまった…。……だから…ちゃんと私、翔ちゃんと話してくるね。」
そう言ってレイラは、立ち上がり、翔と舞の部屋に向かった。
「えっ、もしかして…翔ちゃんって俺のこと好きだったの!?」
レイラの姿を見送った後エリックは、驚いた様子でリカルド達に言った。
「お前それでも『愛の伝導師』なのか?」
小夏、アレン、リカルド3人は一斉にエリックを罵った。
「ちゃんと話さなきゃ」と、皆の前で言ったもののレイラは、いくら翔が精神的に強くなったとはいえこのことを本当に伝えていいものだろうかと不安になっていた。
「上手に伝えらるだろうか?」「もし、彼女を傷つけてしまったらどうしたらいいだろう?」
そんな不安な気持ちは緊張に変わりレイラが翔達の居る2階の部屋へと続く階段を一段上るごとに「ドクン ドクン」と心臓も大きく脈打っていった。
階段を上りきり、とレイラの緊張は沸点までに達し、翔の居る部屋の前まで来たときには手や膝が震えていた。しかし、レイラは「今、この状況を打開する手段はこれくらいしかない!!辛いのは翔ちゃんだって一緒なんだから」と自分に言い聞かせ、軽く自分の震える身体を叩き、ドアックした。
「翔ちゃん。レイラです。ちょっとお話しませんか?」
少し震えた声でレイラが声を掛けると、ドア開き、翔が顔を出した。翔は、レイラの顔を暫く見つめ、あの時のことを思い出していた。
レイラを助けに行った時のエリックのいつもとは全く違う険しい表情。そしてレイラを助けた時に見せた緩んだエリックの口元、レイラを見つめる熱いまなざし、そしてエリックとレイラは抱き合って、お互いの無事を喜び合う。
「エリック……」
「レイラ…すまない…怖かっただろう?」
それは、まるで以前絵本で読んだお姫様と騎士様のお話のようだった。
それを思い出す度に翔は胸が苦しくなっていた。レイラと話せばこの苦しみも少しは楽になるのだろうか…?今は、姉の舞の為にも自分が少しでもしっかりしなくちゃいけないのだから。
「そう…ですね…。部屋には姉さんが休んでいるので、外に出ましょうか…。少し待っててもらえますか?」
翔とレイラの二人は暫く何も言葉を交わさず歩いた。二人の間に流れる空気はどことなく重く気だるく感じられた。そんな重い空気から最初に言葉を発したのは、翔だった。
「あの…もしかしてエリックさんとレイラさんって……。」
おそるおそる翔は、レイラにエリックとの関係を聞き出した。
今聞かないと自分はきっと何処へも進めないまま、またあの時と同じようにどこかに閉じ込められてしまうような気がした。
レイラは、翔の問いかけを静かに受け止め、こくりと大きく頷いた。
「うん。今まで隠してたみたいな感じになってしまったけど、私達付き合ってるの。恋人同士っていうのかな?」
「……そっか…そうだったんだ…。でも、エリックさんがレイラさんを助けた時の二人雰囲気とかまるでおとぎ話のお姫様と王子様みたいで…エリックさんは凄く優しくて頼りがいがあって、そんなエリックさんに大事に想われているレイラさんが、羨ましかった…のかな…。」
翔は、言葉を選びながらも自分の素直な思いをレイラに打ち明けた。
「うんうん。でも、女好きってとこが玉に傷なんだけど、それすらも愛おしく思えてくるの…。」
「そうそう!!」
レイラの言葉に翔も思わずうん、うんと相槌を打っていた。
翔とレイラはエリックの同じところが同じように好きだった。お互いそのことがなぜか可笑しく感じてしまい。その後には、くすくすと笑いあった。二人の間に張り詰めていた空気もいつの間にか緩んでいた。
「そうだ!!急だったけれど、お店のお菓子持って来たの。一緒に食べましょうよ。」
レイラは店を出る前に用意していたバスケットを掲げて翔に見せた。
「そうですね。」
二人は、ベンチに腰掛けエリックの作ったクッキーを食べた。
「わ~。このマフィンふかふかです~。お店の商品って『いつでも食べれる』って思っちゃって、つい食べそびれちゃうんですよね~」
そういって、翔はニコニコと笑顔でマフィンを頬張った。さっきまで思い詰めていた雰囲気が嘘のようだ。レイラもそんな翔の笑顔に顔がほころんだ。
「エリックの作るお菓子はみんな美味しいから、全部食べようとするとふとっちゃうわよ~」
「わぁ…。流石にそれはちょっと嫌ですね~」
それから二人は、エリックのことや互いの思いや、これからのことや他愛もない話を続け、いつの間にか意気投合していた
「意外と私翔ちゃんと共通点多いね…」
「私もびっくりです~。これは同じ人を好きになっても仕方ないですね。ふふっ」
お菓子を食べ終え、公園からの帰り道も公園に向かった時の重苦しい雰囲気とは正反対に二人の会話は耐えることはなかった。
「今日は、レイラさんにお話が聞けてよかったです。おかげで気持ちがすっきりしました。」
「こちらこそ。翔ちゃんが元気になって嬉しい!!後はお姉さんだけど…」
「はい…きっと元気になってくれると思います。私も頑張ります!!」
翔はにっこりといつもの笑顔で微笑んだ。それにレイラはほっと安堵の表情を見せ部屋を去っていった。
その二人の様子をずっと影から見守っていた二人がコソコソと話し出した。
「よっし、今なら翔ちゃん襲っても問題ないわよ!!」
「ちょっと!!なっちゃん先生!!舞さんが弱ってる時にだなんて、そんなのフェアじゃない気がするっす!!」
小夏は、アレンの真面目な答えにふるふると首を横に振って答えた。
「アレン君が100%のおねえさんに勝てると思ってないから心配して言ってるのに!!この根性なし!!」
なんか自分の作品に愛とか入れるのこっ恥ずかしくて他の言葉を模索してたら
近所の子供が
「あい~してるぅ~」と真昼間から叫んでたので
もうこれしかないと思いました。
いろんな愛で溢れた新章どうぞご期待ください。
目次
1 序章 【会議】
【白い箱】
【脱走】
2 平穏 【決断】
【三神兵】
【道化】
【初恋】
【幸せは崩壊の足音】
3 崩落 【亀裂】
【閉塞】
【楼閣】
【反撃】
【犠牲】
【More・・・】
あの事件からエリック達は、ネイラスの手からレイラを取り戻した。しかし、その翌日から舞と翔は自室に籠ることが多くなり、喫茶店の仕事にも以前と比べ顔を出さなくなった。
特に舞の方はタイニスとあのような事になって以来、妹の翔とも会話を交わしていないようだ。翔は時折喫茶店や小夏の診療所で手伝いをすることはあり、気が弱っている姉の分まで働こうと頑張っているのだが、どこか上の空でいつもよりミスが目立っている。
「これは、あまり良くない状況ね…。」
小夏がぽつりと呟いた。それはエリックやレイラ達も同じように思っていることだった。
「舞ちゃんはともかく、翔ちゃんはなんであぁなったんだ?やっぱり看病疲れ??」
エリックの疑問に全員の冷たい視線が彼に注がれた。どうやら翔の元気のない様子に全くを持って身に覚えがないらし
「はい。はい。色男って罪よね~」
「隊長の鈍感っ!!」
「お前それでも『愛の伝導師』なのか?」
小夏、アレン、リカルドが一斉にエリックに罵声を浴びせる中、レイラはゆっくりと口を開いた
レイラは、わかっていた。翔が向けていたエリックへの好意に。しかし翔が傷つくのを恐れ、自分がエリックと恋仲だというこつを翔に伝えられずにいた。きっと姉が酷く落ち込んでいることに加え、エリックへの想いも砕かれてしまった。自分がちゃんと打ち明けていれば彼女がここまで傷つくこともなかったのではないかと。
「うん…私…本当は解ってた。でも翔ちゃんを傷つけたくなかったから、ずっと言いそびれてた…でも、そのせいで翔ちゃんを傷つけてしまった…。……だから…ちゃんと私、翔ちゃんと話してくるね。」
そう言ってレイラは、立ち上がり、翔と舞の部屋に向かった。
「えっ、もしかして…翔ちゃんって俺のこと好きだったの!?」
レイラの姿を見送った後エリックは、驚いた様子でリカルド達に言った。
「お前それでも『愛の伝導師』なのか?」
小夏、アレン、リカルド3人は一斉にエリックを罵った。
「ちゃんと話さなきゃ」と、皆の前で言ったもののレイラは、いくら翔が精神的に強くなったとはいえこのことを本当に伝えていいものだろうかと不安になっていた。
「上手に伝えらるだろうか?」「もし、彼女を傷つけてしまったらどうしたらいいだろう?」
そんな不安な気持ちは緊張に変わりレイラが翔達の居る2階の部屋へと続く階段を一段上るごとに「ドクン ドクン」と心臓も大きく脈打っていった。
階段を上りきり、とレイラの緊張は沸点までに達し、翔の居る部屋の前まで来たときには手や膝が震えていた。しかし、レイラは「今、この状況を打開する手段はこれくらいしかない!!辛いのは翔ちゃんだって一緒なんだから」と自分に言い聞かせ、軽く自分の震える身体を叩き、ドアックした。
「翔ちゃん。レイラです。ちょっとお話しませんか?」
少し震えた声でレイラが声を掛けると、ドア開き、翔が顔を出した。翔は、レイラの顔を暫く見つめ、あの時のことを思い出していた。
レイラを助けに行った時のエリックのいつもとは全く違う険しい表情。そしてレイラを助けた時に見せた緩んだエリックの口元、レイラを見つめる熱いまなざし、そしてエリックとレイラは抱き合って、お互いの無事を喜び合う。
「エリック……」
「レイラ…すまない…怖かっただろう?」
それは、まるで以前絵本で読んだお姫様と騎士様のお話のようだった。
それを思い出す度に翔は胸が苦しくなっていた。レイラと話せばこの苦しみも少しは楽になるのだろうか…?今は、姉の舞の為にも自分が少しでもしっかりしなくちゃいけないのだから。
「そう…ですね…。部屋には姉さんが休んでいるので、外に出ましょうか…。少し待っててもらえますか?」
翔とレイラの二人は暫く何も言葉を交わさず歩いた。二人の間に流れる空気はどことなく重く気だるく感じられた。そんな重い空気から最初に言葉を発したのは、翔だった。
「あの…もしかしてエリックさんとレイラさんって……。」
おそるおそる翔は、レイラにエリックとの関係を聞き出した。
今聞かないと自分はきっと何処へも進めないまま、またあの時と同じようにどこかに閉じ込められてしまうような気がした。
レイラは、翔の問いかけを静かに受け止め、こくりと大きく頷いた。
「うん。今まで隠してたみたいな感じになってしまったけど、私達付き合ってるの。恋人同士っていうのかな?」
「……そっか…そうだったんだ…。でも、エリックさんがレイラさんを助けた時の二人雰囲気とかまるでおとぎ話のお姫様と王子様みたいで…エリックさんは凄く優しくて頼りがいがあって、そんなエリックさんに大事に想われているレイラさんが、羨ましかった…のかな…。」
翔は、言葉を選びながらも自分の素直な思いをレイラに打ち明けた。
「うんうん。でも、女好きってとこが玉に傷なんだけど、それすらも愛おしく思えてくるの…。」
「そうそう!!」
レイラの言葉に翔も思わずうん、うんと相槌を打っていた。
翔とレイラはエリックの同じところが同じように好きだった。お互いそのことがなぜか可笑しく感じてしまい。その後には、くすくすと笑いあった。二人の間に張り詰めていた空気もいつの間にか緩んでいた。
「そうだ!!急だったけれど、お店のお菓子持って来たの。一緒に食べましょうよ。」
レイラは店を出る前に用意していたバスケットを掲げて翔に見せた。
「そうですね。」
二人は、ベンチに腰掛けエリックの作ったクッキーを食べた。
「わ~。このマフィンふかふかです~。お店の商品って『いつでも食べれる』って思っちゃって、つい食べそびれちゃうんですよね~」
そういって、翔はニコニコと笑顔でマフィンを頬張った。さっきまで思い詰めていた雰囲気が嘘のようだ。レイラもそんな翔の笑顔に顔がほころんだ。
「エリックの作るお菓子はみんな美味しいから、全部食べようとするとふとっちゃうわよ~」
「わぁ…。流石にそれはちょっと嫌ですね~」
それから二人は、エリックのことや互いの思いや、これからのことや他愛もない話を続け、いつの間にか意気投合していた
「意外と私翔ちゃんと共通点多いね…」
「私もびっくりです~。これは同じ人を好きになっても仕方ないですね。ふふっ」
お菓子を食べ終え、公園からの帰り道も公園に向かった時の重苦しい雰囲気とは正反対に二人の会話は耐えることはなかった。
「今日は、レイラさんにお話が聞けてよかったです。おかげで気持ちがすっきりしました。」
「こちらこそ。翔ちゃんが元気になって嬉しい!!後はお姉さんだけど…」
「はい…きっと元気になってくれると思います。私も頑張ります!!」
翔はにっこりといつもの笑顔で微笑んだ。それにレイラはほっと安堵の表情を見せ部屋を去っていった。
その二人の様子をずっと影から見守っていた二人がコソコソと話し出した。
「よっし、今なら翔ちゃん襲っても問題ないわよ!!」
「ちょっと!!なっちゃん先生!!舞さんが弱ってる時にだなんて、そんなのフェアじゃない気がするっす!!」
小夏は、アレンの真面目な答えにふるふると首を横に振って答えた。
「アレン君が100%のおねえさんに勝てると思ってないから心配して言ってるのに!!この根性なし!!」
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